井戸が眠る

なすくんが笑ってるから今日も五億の星が笑って見える

きみは眩しい17歳


私はいつもなすくんのことを星だと思う。
真っ直ぐに立つシルエット、少し沿った指先、確かめるように動く細い身体、丁寧にセットされた髪、むにゅりと唇に力を入れて、けれど段々とほぐれるように歯が見えてきてくぼむえくぼ、楽しそうに踊る姿も、真剣に構える姿も、踊り終わった後に吐く息も、話を聞く時の姿勢も、精悍だけれど笑うとさらに垂れるその目尻も、その一挙一動を私はとても尊く見つめてしまう。
見つめているのは瞳なのに、ペンライトや双眼鏡を持っているのは手のひらなのに、瞬時に胸がぎゅうっと締め付けられて、ぱちぱちと光が弾けて、心臓がとくとく音を立てる。身体って繋がってるんだなあ、なんて当たり前すぎる事実を改めて気付かされる。星ってなんだよ!って感じだけれど、なんだか本当に眩しくて、尊くって、ステージのその光が反射するみたいに心の中で色んな気持ちが弾けるのだ。なんかもう本当に宇宙としか言いようがない。

オレンジ新衣装が本当に大好きなのですがあの衣装めっちゃ光を反射してほんとにキラキラしてて星すぎて最高です。私の大好きな子は、私の大好きな子がいるグループはこんなに優しく眩しく楽しくキラキラしてて最高!って誇らしさが溢れてくる。私はこの子のことをとても可愛い(容姿もあるけれど守ってあげたいの、愛おしいの、可愛い)と思っているから真綿にくるむような気持ちでいつも見つめてしまうのだけれど、最近は誇らしいなあと思うことが増えてきた。それってとっても凄いことだと思うし、なんだかそう思う度にとってもとっても嬉しくなる。好きがまた一つ綺麗になるような、強くなるような、そんな気持ち。


私のすきな星は、私が好きになった日から、たくさんのものを背負っている。

それは本人の選択と言えばその通りなので、その頑張りを「凄いね」と尊敬する人もいれば、「自分がそうしてるんだから嫌なら、できないなら辞めれば良い」という人もいる。それは別に間違った悪意100%の意見ではない(もちろん私は好きじゃないしそんな言葉たちが彼の耳に入らないように傘を必死に広げたくなるけれど)。

そのことを分かっているからこそ、同じ道を見たことのある先輩からの答えは「大丈夫だよ」でも「無理しないで」でもなく「死ぬ気でやれ」で、本人もきっと分かっていて、背負ったもの、選んだもの、頑張りたいもの、どれも取り漏らさないよう、中途半端にこぼれ落ちないように、必死に考え続けている、と私は思っている。

なすくん、もちろん一般的な同年代男子に比べたら、それこそ私の50億倍は賢くてきちんと計画立てて生きているけれど、実際のところ朝5時に起きたり、電車の中でも教科書を写真で撮ったりノートを丸暗記したりして勉強をすることが、めちゃくちゃ効率が良くて器用な生き方かと言われたら、そんなことはないのかもしれない。生きるのがとっても上手で美味しいところだけをするりと取って生きていける星に生まれたってわけでは、ないのだと思う。けれどもちろんそれは悪いことではなくて、このとにかく決めたことに全力で、努力で突き進んでいくところがなすくんの魅力なのだ。こういう彼を見る度に本当にあ〜〜大好き!が溢れるし、なすくんは本当に賢くてクールな参謀ボーイに見えて(それが違うってわけでもどっちが良いってわけでもないよ)、努力友情勝利の少年漫画の血が流れてるしその血を好む男の子だな〜〜〜と愛しさが広がる。なすくんは宇宙で私の星なわけだが、それはどこまでもきらめく星でもあり、等身大の星みたいでもあるのだ。

勉強にがむしゃらだった15歳。学校にいる時にしかできないことがあると気付いて世界が広がってもっと楽しくなった16歳。考えて、考えて、自分なりの努力を続けて、また色んな世界を知って、新しく気付いたり吸収したりして、また自分なりの考えを得て、進んでいく。そうして立ち止まらず、変わり続けて豊かになる。

そうやって生きているなすくんは本当に本当に、めちゃくちゃにかっこいい。


大好きな本に、麦ふみのことが出てくる。

強く育つために、一度出た苗を足で踏んでいくのだ。横ばいに、一歩一歩踏みしめるように進んでいく。潰れた後に芽を出す麦もあれば、そのまま腐ってしまう麦もある。けれど、そのどちらが良い、悪い、なんてことはない。

潰れた麦は強く育ち、育たなかった苗も肥料になる。その肥料で残った麦は豊かになる。そうして、全部ひっくるめて、やがてその土地全体が実ってキラキラの光を放つ。麦にいいも悪いもない。進んだ道に、その歩みに正しいも間違いもない。無駄なものなど一つもないのだ。

だから、ただ一歩一歩、確かめるように丁寧に、ただただ、踏みしめていく。


これを久しぶりに読んだ時に、私はなすくんのことを思った。(すぐ思っちゃうタイプのおたく〜!)

私は某有名曲ハナミズキを聞く時に二番の「僕から気持ちは重すぎて」からのくだりに一番胸がきゅっとしちゃうタイプのメンヘラポエムオタクなので、なすくんの歩く道に思いをよく馳せる。アイドルにならなかったらきっと全然違う色をしていただろうなすくんの道。選んだからこそ輝いたものがあって、得た宝物がたくさんあって、でも選んだからこそ背負ってしまった苦労、失うという言い方はしたくはないけれど少しだけ減ってしまった時間や青春がある、そんな道。なすくん自身の努力や苦労から、受けなくても良いはずの嫉妬や誤解ややっかみ(あるいは妄執的な恋心など)から、どうにもできないものたちまで、たくさんのものをなすくんは受けて、踏みしめて生きている。
けれど、そのどれもがあったからこそ、今ここになすくんがいて、そんな今のなすくんが私は本当に、本当に大好きで。今までもこれからもなすくんはたくさんの道を踏みしめていく。一歩一歩、努力という武器を握りしめて。

その道に良いも悪いもないのだ。ただ、踏みしめていけば良い。


調べてみたら、ちょうど誕生日のこの時期に、麦ふみはやるらしい。そうして春が来る。
なすくんはそうして、逆境に負けず人生を雄大な姿勢で登っていく。
余談だがここまで語りながらこの本の主役の子、龍我くんにぴったりだと思うのでいつか主演舞台でお願いします!(わかった人は私と握手)

 


17歳。あ〜〜17歳だ。15歳から16歳になるときも、私はなんかもう言葉にできない気持ちがぶわ〜〜っと溢れて止まらなかったけれど、17歳になるのはなんかもういきなり「えっ大人の世界混じってない???」という感じで動揺してしまう。大人に一気に近づいたようで、けれどまだ大人にならない、夕焼けか朝焼けのような時間。


私が17歳の時、突然「逃避行」というものがしてみたくなり、1日だけ学校をサボったことがある。衝動的に反対側の電車に飛び乗り、まだ朝早い、人のいない終点の駅のよく分からない公園のベンチに座って、YUKIのスウィートセブンティーンをぼうっと聞いていた。(今思い返しても笑えるほど浸っている)
別に学校に行くのが辛かったわけではない。自分で言うのもなんだが割と優等生だったので、これが決して激しくはできない私のちょっとした憧れの反抗心で、いわば高校生を終えるまでに少しだけ思い出にスパイスが欲しかった、ちっぽけな、本当にちっぽけな自己陶酔だったわけだ。朝の終点駅は知らない街のようで、しんとした空気に吹く風は気持ち良くて、なんだかどこにでも行けるような気がした。けれど心の底でじゅくじゅくするチキンな罪悪感は消えなかったし、結局何事もなかったように家に帰るしかなかった。私はどこにも行けなかった。何度も言うが別に逃げたい何かがあったわけでも、何でもない。けれど今でもたまに、あの時の私はどこに行きたかったのかな、と考える。きっとあれこそが17歳だったんだな、なんて思いながら。


なすくんももう高校最後の年で(考えるだけでひゃ〜〜やばいよ〜〜)、本人も大切に過ごしたいと思っているみたいだ。この1年、どんなことさえもきっと、なすくんを作る星になるし、何もかもが思い出になるんだろう。それがとても愛しくて、眩しくて、胸が締め付けられる。
一緒に大きくなっていきたいけれど、なんだか大人になってしまうと、私は何も変わらないのになすくんだけがどんどん大きくなっていくような、そんな不思議な気持ちになることがある。なすくん。17歳になる、あの頃の私よりはきっと遥かに自由な足を持っていて、でもあの頃の私よりはきっと遥かにたくさんのものを背負っていて、それでいてやっぱり、まだ大人になる前の等身大の高校生の男の子。そんななすくんは、どこに行きたいんだろう。どんな夢を叶えて、どんな道を目指して、どんな幸せが欲しいんだろう。
たくさん、たくさんの幸せが降り注ぎますように。叶えたい夢が叶いますように。届きたい星に触れられますように。元気で、元気でいてくれますように。
ありったけの何かをあげたいけれど、本当にささいなことしかできなくて、でもそんな歯がゆさを抱えながら見つめることさえ愛しくて、今日も私はなすくんが大好きで。


まさかの突然叶ったプチフライング、緊張した面持ちで息を吐くあの呼吸、ゴムをかけてくれた方にぺこりとする小さな仕草、全てが「ああなすくんのこんなところが私は好きなんだ」で溢れた。(ちなみにハピアイのカンカン帽くらいからじわじわ思っていた「なすくんって緑似合うよね?」説が確信に変わった。なすくん緑似合うよね!?いや全色似合うけど……)

 

そして、やっぱりまた、祈るように思うのだ。どこまでも羽ばたいて。たくさんのものを踏みしめて、一歩一歩進んで、追いつけないくらい輝いていくなすくんを見ながら、私も少しずつ大きくなりたい。私も大人になっても、いつまでも頑張っていたい。その気持ちはやっぱり、星を見上げる時の気持ちに似ている。そんなことを考えながら、私は私の気持ちを証明するように青いライトを胸に握りしめている。

 

あーー!なすくんに会えてよかった!幸せ!うれしい!それに尽きるのだ結局。この気持ちがある限り、この先も私はなすくんを愛おしく思うし守りたいし大きな声で頑張れを言い続けたい。私の世界でひときわキラキラ光って見える、大事な大事な宝物。

 

いっぱいいっぱいありがとう、ほんとにほんとにおめでとう。

ちっぽけな言葉しか言えないけれど、でも、本当に、生まれてきてくれて、そして、ここにいてくれてありがとう。大切な大切なきみが、宇宙で一番しあわせになれますように。キラキラの、一番星に手が届きますように。来年、もっと大人のドアを叩くその時も、見守ることができますように。これからもどんな気持ちになる時があってもどんな景色が見えても、向かう先はきっと星だ。

いいやもうとにかく!

 

 

なすくん、サイコーーでーーす!!!!