井戸が眠る

なすくんが笑ってるから今日も五億の星が笑って見える

光のはしご

 

二月。五億年ぶりにアイア2.5シアターとかいうこの世の地獄のような劇場を通り越してNHKホールの敷居をまたいだ。

優しさとひだまりをそのまま取り出したらこうなるのだろうと、真ん中に照らされて歌う龍我くんを見て思う。溶けてしまいそうな歌声と相変わらずキラキラの瞳、けれどもうただの「妖精探している赤ちゃん」じゃなかった。あれは選ばれたものの景色だった。

その時、ぼんやりと何故だかクリエで1人階段をかけあがっていく浮所くんを思い出していた。スペースジャーニーで1人ソロを貰い歌う金指くんを、メンバー不在で騒がれる中ひとりで輝きの日々を踊った藤井くんの笑顔を、光のはしごの下で1人歌い出した大昇くんが歌で震わせた空気を。

有難いことに元々が割と「選ばれた集団」である彼らだけれど、それでもそれぞれに「ああ、今この子は選ばれた人だけしか見えない景色を見ている」と感じる時がある。神様だか運命だか偶然だかが決めるその瞬間が、大好きな子に少しでも与えられますようにと願い続けてしまう。選ばれますように。ずっとずっと、選ばれ続けてくれますように。

 

尊い、綺麗、かわいい、素敵、そう思う気持ちと同時に「ああこの子はこれから20時を超えるのだ」とぼんやり思った。強かった。嬉しくて頼もしくて、また少しだけ、ほんの少しだけ、でも確かに世界が変わるさざ波が聞こえる気がした。まあそんなもの、ひとつひとつに敏感になって結局全てが予兆である気がするように騒いでいるだけなんだろうけど。

 

那須くんはこの子のことがバチバチするくらい好きなのだ。

那須くんは割とその(やばい)発言から保護者に見られがちというかでろでろに甘やかす立場にいるように見えるけれど(普通にそれもあってると思う)、実際この子は那須くんの1番のライバルなのだ。天性のアイドル。

この子にずっと隣にいて欲しくて、実際なすくんはそのために努力をしていて、その努力は尊くて少しだけ切ない。磁石のようにぴったりとくっついて花園の向こう側にいるみたいに無垢に笑い合う彼らを守る術を私は知らない。

 

そろそろ解体だとか編成だとか前々からなんとなく色々言われていて、それでもまあまだだろうなとか思いつつ、幕が開いた瞬間5人で立ってオープニングを喋っているのを見ただけで少しだけ肝が冷えたの、我ながらjr担として生きるには弱すぎると思う。

那須くんは今日もたどたどしく、一生懸命喋っていた。数億年ぶりにNHKホールで那須くんを見たけれど何言ってるのか聞き取れなすぎて笑った。那須くんはスタイルが悪いとか言われているけれど私にとってはキラキラピカピカの一番星なので今日も衣装が似合っていたし(那須くんは本当に白が似合う)腕から指先にかけてのシルエットや、びっくりするくらい華奢だったのが少しだけ厚くなってきた胸板とかが最高でなんかもう愛おしかった。前にいる子たちが五人になろうと最後のポーズで手が触れる距離に新しいメンバーがいようと那須くんは変わらなかった。今日も前よりも柔らかくなったにこやかさと、新しい曲特有の硬さを持ってそこにいた。私はこんなにも那須くんが好きだけれど結局那須くんから言葉が出ない限り私は何もこの子のことを知らない。那須くんは私の今の人生の脳内8割を占めていて、来る日も来る日もこの子のことを考えているのに、双眼鏡越しの丸い世界で見る男の子のことをわたしは何も知らないのではないかという気持ちにさせる。そして結局のところ何も知らない。掴めないことは魅力的で、けれど掴めないことは虚しさや怖さにもなる。

那須くんが笑う。安心する。深々とお辞儀する。安心する。那須くんがたどたどしく喋る。安心する。それなのにどこか不安になる。

 黒くて重い双眼鏡という塊は仕事終わりの体に相変わらず辛かった。

 

これからもこうやってなんとか私は、私の知る那須くんを私の見られる分だけ貪るように見て、なんとか私の中の「那須くん」を完成させようと頑張るしかないのだった。どこで変化してどこで悲しんでどこでその荒波に揉まれていくのか私は知らない。それを荒波と思っているのかさえ分からない。そんなことは当たり前で、そんなことを言っていたら始まらない、それは分かっている。けれど、それでも那須くんのことを知らないという事実が今日も私を少しだけ悲しくさせる。 

 

新しい波が少しずつ動く。結局これが時代を動かしているのか、そう思わせながら何も変わらない停滞を続けるのか何もわからなくて、ただ私はもう歳をとってきてしまったオタクなので変化に対してワクワクするより先に不安がきてしまうこともあって、でも那須くんが選んだ道なら、那須くんが少しでもワクワクしているならもうなんだって信じたいし前向きに考えたいと思う。

那須くんのヘアセット動画とか見たらそれを半年はおかずにできる。なんかもう生きてるだけで可愛いからまたその生きてる様子を映像にしてもらえるだけでファンサである。

 

dexで風船が割れた時に、龍我くんにもたれて笑うあの絶妙な謎のしなだれ具合を見て那須くんは本当に甘やかしているようでこの子に最強に甘えているのだと思ってまた安心したし幸せだった。

これから荒波に揉まれてどうなろうとやっぱり私は那須くんの選んだ道を見ていたいし那須くんが選びたいと思った道が選べる、そんな世界であってほしいと思う。そうあり続けるためにはやっぱり那須くん自体が選ばれ続けなければいけないのだ。

 私は本当に面倒なオタクで、歳をとってしまった女で、だから心配ばかりが、本当に誰得なんだよって感じの自分勝手な心配ばかりが募ってしまって、無理してないかな大丈夫かな広まってほしいけど大事だから安売りや雑な扱いはしないでほしい守られてて欲しい仕事は欲しいけど勉強はしてほしい、みたいな本当に「贅沢だな!!!!」って感じのオタクなんですけど、

 

でも那須くんは常に選ばれようとしている。那須くんの言葉は前向きでワクワクしてキラキラして(そして時に就活かな?ってくらい真面目で)(それなのに喋るとたどたどしくて)、進むための力を吸い込もう取り込もうと息巻いている。

誰よりも輝く。それを目標だと那須くんは言った。那須くんの隣にいる赤ちゃんみたいに綺麗な目をした男の子は、それでも「全員の中で一番になりたい」と言い切っていた。11位なんて正直めちゃくちゃ驚いたけれど那須くんの求めた来年はもっと高い順位だった。そんなバチバチした、最高の男の子たち。

「もう十分選ばれてるじゃん」と言われがちなそんな那須くんが、選ばれたいと思う気持ちを捨てない限り、私はこの子に夢を見続けられる。熱い。

 

私はエゴサ公言しすぎるのも不安になってる心の弱いオタクなので何に対してもゆっくりで良いよ、十分素敵だよ大好きだよ大丈夫だよ、ってすぐ言いたくなってしまうけれど、でもそれでも言いたい。頑張れなすくん!光のはしごに選ばれ続けて!またたった1人でそのはしごに照らされる時が来たら、それがソロだって独白だってなんだって、今度はもっともっと愛おしくその時間を楽しめる気がするから!がんばれがんばれ!

頑張れって言葉って本当に繊細で人によってラインがあるから私は言うのが苦手なのだけれど、それでも声を大にして言いたくなるから那須くんはやっぱり宇宙です(結論)

がんばれがんばれ、ずっと見ていさせてね

 

 

 

で、サマパラいつ?