井戸が眠る

なすくんが笑ってるから今日も五億の星が笑って見える

常夜灯

 

「ねえ、なすくんテレビ出てたでしょ!」

 

これ、今年、めちゃくちゃ言われた。私は好きなものを人に言うのが苦手なので特定の人にしかなすくんの話をあんまりしないのだけれど、それでも今年驚くほど日常の会話で、LINEで、さらりと「なすくん見たよ」って言われた。仲の良い友達や職場の人から「なすくん」って言葉を聞く度に心が凄くくすぐったくなる。

周りにあらゆるタイプのオタクがいるけれどジュニアのオタクはいなかったので(それも中高生の)(って書こうとしてでもなすくんはもう大学生なんだわってまたびっくりしちゃった)(っていうオタク特有の一人会話セルフツッコミ)、その人たちにとっての「なすくん」はあまり好きを言わない私が遠慮がちに零した「この子好きなんだよねえ」って小さな一言二言の会話の中の朧気な存在でしかなくて、私もそれでいいやそんな深く話すもんでもないし〜って感じでさらりと会話をいつも終わらせていたのだけれど、それでも思ってた以上の色んな人に「なすくん、見たよ!凄いじゃん!」とか「出てたね」とか「もう大学生になったの!?早いねえ」だなんて言われる度にあ、私が好きなこと覚えてたんだ、とか、私は私の好きを一人であたためてたような気持ちでいたけどちゃんとひとかけらでも人と共有していたんだなあ、なんて驚いてしまった。

それに、やっぱり、何より、なすくんが凄い。

 

そう、2020年のなすくんはとてつもなく凄かった!!!!!

 

去年の年越し、来年はきっとまた予想もしない景色を知るんだろうなって思いながらなすくんに思いを馳せていた。大学進学が決まったなすくんが仕事を次々こなしていくのを見て期待だってしていた。

そして今、やっぱり予想もしなかった世界に私はいる。いやきっと誰も予想なんてしていなかったことが、たくさんあった一年だった。悔しいことも切ないこともやるせないことも、胸が痛むこともあった。

それでも、「今年、何してたんだろう」だとか「何もなく終わっちゃったなあ」なんて会話を色んな色んな人とする度に、何度でも思う。

え、そう???(煽ってるわけじゃないよ)

 

失ったもの。ライブに仕事の形、旅行にのびのびとした外食、深夜のロータリーでゲラゲラ笑う時間、知らない隣の人たちと飲むお酒、花火大会、たくさんの行事。たくさんたくさんあった。けれど、失われたなあって、あまり思わない一年だった。そりゃもうあっという間に過ぎ去っちゃったのは確かだけれど、何もなく終わったなんて思いはない。いやそれは本当は多分私が結局インドアの一人好きなのが一番大きいんだろうけれど、それよりだって、だってだって!!

そう、2020年のなすくんはとてつもなく凄かった!!!(2回目)

 

春。なすくんは初めてのドラマに出た。テロップに名前が流れた瞬間胸がいっぱいになってどうにかなりそうだった。そうしてなすくんは高校を卒業した。綺麗な綺麗な青空の日で、それだけのことがとてつもなく嬉しかった。大好きなクリエがない春。シャンテで半券を使ってビールを飲まない春。でも家での知らなかったなすくんを知れて、どんな時もアイドルでいようとしてくれるなすくんに愛おしさが募った。最高の春だった。

 

夏。初めての、初めてのグループ全員でのドラマ。一生忘れられない、宝物の夏。

大好きなEXがない夏。暑すぎて溶けそうな屋上で、フォロワーをきょろきょろと探さない夏。最高の最高の配信を、家でかじりついて見つめた。全部、全部が好き!あのイントロ、華やかな衣装で出てくるランウェイ、光の6人、受け継ぐ意思を感じる和コーナー、名脇役。この子たちと、なすくんと一緒に歩みたいって心から思った夏。たったの50年、見ていられたら、そう祈らずにはいられない。最高の夏だった。

 

秋。舞台も何もない秋。凄かった。本当に、大学生になったらますます増えるかな〜なんてわくわくしていた去年の予想を簡単にぶっちぎるくらいの仕事量。思わず「な、なに!?なにがおこってるの!?」なんてわたわたしてしまうほどなすくんは怒涛のテレビ仕事をこなしていた。二回目の単独表紙。なすくんの頑張りがなすくんらしい仕事に結びつくのを見る度に、人生って本当に繋がってるんだ、全部が繋がるんだ、という気持ちで溢れてくる。人生を好きになれる。もうお察しですが相変わらず感情が重い。憧れの先輩との共演。なすくんはいつみても超絶格好良いし猫ちゃんのようにそりゃあもう可愛かった。大学生になってからのなすくんは本当に格好良さが止まらなくてこんなに見てるのに毎回新鮮に「かっ、かっこよ!?」ってびびり散らかしてしまうのですがそれでもやっぱりなすくんはかわいい。なすくんのね、まとう空気が好き。大好き。ふんわり可愛い、優しいあの空気をいつまでも守りたいよね。そんななすくんにぴったりな三回目のドラマ。なすくんがこの空間に入れることが嬉しい!って思ったらTLの那須担みんな同じこと言ってたから笑った。分かる。金田くんに道史くんに武内くん。大切な「好き」がまた増えて、嬉しかった。

そしてそして、憧れの嵐さんのバック。前に嵐さんの後ろで踊るなすくんをテレビで初めて見た時、あまりに楽しそうで、口を大きく上げて全力で歌っていて、(私の中の勝手な夢想フィルターでは)こんな顔をするなすくん、初めて見たって驚いてしまったのをまだ覚えている。それくらい、特別なのだ。全部全部が楽しいって全身が言ってた。いやもう全部妄想なんですけど相変わらず。でも、嬉しくてたまらなかった。私の幸せの土台にはなすくんの幸せがあって、もうそれは切り離せなくて、だから、なすくんが幸せなこと、ここにいられること、全部が、全部が嬉しくて、幸せで涙が出た。最高の秋だった。

 

そして、冬。会えたら泣いてしまうのかな、なんてこの一年ずっと思っていた。というかその前に会えない日々に耐えられるのかな、とか知らない人みたいに思っちゃったらどうしよう、とか。逆にこの一年有難い供給が多すぎて全然なすくん不足な気がしないよ〜なんて思う瞬間もあった。

なんか生活とか自分の気持ちに色々あったこともあって、初日、電車の中でもうそわそわして死にそうだとか、幕が開いた瞬間に泣きそうとか、思っていたよりそういう感情がなくて焦ってしまった。私、なすくんのことでどれくらい心動くんだっけ?なんて双眼鏡を握り締めながら思った。真っ白な光の中、なすくんが出てきて、その瞬間「大人になったな」と思わずどきりとした。いつのまにか。微笑みながら踊る一挙一動が柔らかくて、でも、知ってるなすくんで、知らないところも知ってるところも全部がなすくんで。

でも、なんかもうなすくんを見る前ではそんなこと何もかもどうでも良かった。可愛くて、柔らかな弟。可憐で、愛しくて、でも顔立ちは凄く男の子らしくなっていて、シルエットが浮かび上がる度に反射的に目がなすくんを探し当てた。「探さなきゃ」とか「なすくんだ」とか頭で思う前に、もうこの目が、この手が、本能みたいに勝手になすくんを探していた。一番に見つめてしまう人。好きになった時と何も変わらない、これが答えだった。この子なんだって、何度でも思う。私にとってはこの子。この子がずっと本物。それはもちろん他が偽物だとかそういう話をしたいわけじゃなくて、何度でも、何度でも、なすくんを見る度に、見つけようと心が勝手に動く度に思うのだ。私の本物。

帰り道、大好きな街並みをぼんやり歩いて、そこでやっとじんわり泣きそうになってしまった。嬉しくて、愛しくて、あと、ちょっとだけ、探せて良かったって、思って泣いた。まだなすくんのこと探せる。一番に見つけられる。

会えなくても、一緒に歩いてきたな、と思えた。そんな一年をなすくんがくれた。

 

というのは一年のまとめで(長すぎる)、こんなこと書きながら正直まあ、ま〜〜あ心が揺れ動いたこともある一年だった。こんなになすくんを直接見ないの初めてだし、そもそもこんなに生活が変わったことも中々ない、そんな一年だったから。まあ簡単に言えばモチベーション?なのかな?好きなのはずっと好きだけど、「本当に好きだっけ」とか「どんな風に好きだったっけ」だなんてぼんやり思ってしまうこともあった。だってだって現場が答えだと思ってる人間なので。この目でなすくんを見て本物だと噛み締めて生きているタイプなので。なすくんってなんだろ〜って哲学をぐるぐると考えながら、タイミングなのか好きだった人たちがどんどん趣味から離れていくこともあって、何度も何度も迷子になった。もしかして前より私好きじゃない?って焦る瞬間もあった。怖かった。好きだから、好きじゃなくなるのが、怖い。

 

いや本当に矛盾してる話をしてしまうけれど、私は本当によく分からない心の弱いオタクなので、好きになった瞬間にもうさよならの準備をしておくような、そんな人間だ。

なすくんのことをずっと好きでいたいのに、人生目標としてはなすくんのことを当たり前の日常に溶かして、なすくんがいなくても歩けるようになりたいとも思っている。なすくんから上手く卒業して、見つけようとしなくても見つかるようなそんなビッグなスーパーキラキラアイドルになったなすくんをたまにふと見つけて愛おしく救われたりしながら、自分で自分の世界を歩いていく。そんな日を夢見ている。ずっと特大の好きを抱えて見つめ続けたいとも思ってるくせに。自分でもよく分からないけれど。

ずっと好きでいたいから、ふとした仕草や生活や思考の癖に、なすくんがくれたものを溶かしておきたい。自分の中に当たり前に溶かして、なすくんがいなくても、なすくんがくれたもので生きていけるように。前にブログでも書いた通り、そう思って生きている。

 

でも、怒涛の仕事をこなしてもまだなすくんは、街を歩けばどこにいても見つかるような、勝手に雑誌の表紙に目に入るような、テレビをつけてればCMに当たり前にいるような、そんな存在にはこれからなる途中だから、やっぱり私が探さなきゃ簡単になすくんのことが分からなくなる。雑誌もテレビもなんとか追っていたけれど、これ、追わなくなったらもう分からないんだなって何度もふと思った。なすくんが何に出てるか、今何をしているか、どんな髪型になって、どんなことを頑張って、どんな人になってるか。

(いやもう結局本当は何も知らないんだけど!相変わらず全部夢想なんだけど!)私がこんなにも見つめたなすくんは、簡単に私の世界から消えてしまう。簡単に。

でも、そんな時、

 

「なすくん、出てたね!」

今年たくさん言われた、その一言が。それにくすぐられる心が、何度も何度も私の世界になすくんをくれた。世界規模では分からないけれど、私の日常には、私の世界、私の周りには、確かになすくんが溶けていた。当たり前のようになすくんがいて、私が見ても見なくても私の代わりに見つけた誰かが私になすくんを教えてくれる。友達と他愛ない話をしている時に。仕事中のふとした瞬間に。「なすくん」が現れる。その度に「あ、私、なすくんが好きだ」って思う。

それって、凄い。凄いことだ。人の繋がりが私の世界を作っているし、何よりやっぱり、なすくんが凄い。どんどんなすくんは進んでいく、世界を、景色を広げて、たくさんの人の目に留まっていく。いやこれって好きな話をたくさんするタイプの人たちには当たり前の話なんだと思うんですが、私は本当にあんまり好きなものの話をしない(って自分なりには思ってる)人間だから、尚更、びっくりしてしまった。実感して、感動してしまったのだ。

「へえ〜これが好きな子なんだ〜若い〜初めて見た〜」ってぼんやりとした認識で聞いてくれていた知人たちがふとした時にテレビを見て「なすくんだ!」って見つけるくらい、そんなところまで、なすくんは来たのだ。凄い。凄い。

そうしていつも、なすくんがいてくれる。私の世界になすくんがいる。ちゃんと、見つかる。

それが凄く嬉しくて、それに凄く救われた。

 

まあ結局そうやってどれだけ揺れ動いても、根本的にはずっと好きで、私の日常にはいつだってなすくんがいて、会えても会えなくてもこんなにもなすくんのことが私は好きだった。大好きだった。この一年、ほんとにほんとに楽しくて、素敵な思い出ばかりで、変わらずなすくんが好きだった。ずっとなんて分からなくても、今年もやっぱりなすくんが好きで、きっと年が変わる明日もなすくんのことが大好きだ。

それでいい、きっといい。

 

あー、今年も最高だった!今年もなすくんが大好きだった!!!

去年より大きく変わった世界で、去年よりもずっと大きくなったなすくんを見ながら、それでも去年と変わらないことを思っている。きっと時期をずらして行く初詣で今年も私は当たり前のように「なすくんが元気で幸せでありますように!」と願うんだろう。

 

本当は何も、知らない。でもそれでも良いと思ってしまうくらい、私はこの真面目で、少しほんわかしていて、言葉遣いが面白くて、仕草が可愛くて、優しくて真っ直ぐななすくんのことが大好きで、たまらなく大切で、息をするようにこの子の幸せを願い続けている。巨大な光。キラキラした太陽。あたたかな木漏れ日。眩しい星。優しい月。そんな光が、全部なすくんに見えるくらいの、好き。

 

きっと来年の今頃だって思いもよらないことばかりあるんだろう。何があったって、やっぱり今年もなすくんが好きだったなあ、って思えるそんな一年だといいな。新しい景色を見せてもらえるの、楽しみだなあ。

大好きななすくん。かわいいかわいいなすくん。来年もよろしくね!元気でいてね!笑っていてね!

またね!!!